藍より青し | aiyoriaoshi.com

  名立大の学生、花菱薫。花菱財閥総裁の花菱優二が父親で、次の総裁となるべき人間である。しかし、母親の本条久美と父親は、正規の婚姻を結んでおらず、非嫡出子だったことが原因で薫も母親も周りから非難を浴びて生きてきた。

そして父親が急逝。当時薫は5才。様相は大きく変わる。跡継ぎにすべく花菱家に無理矢理引き取られ、祖父の花菱源一郎より、苛烈を極めながら「帝王学」を叩き込まれる。そして中学生の頃に母親の久美も死去。大切な母の形見を眼前で源一郎に焼却され、最も大事にしていた臍の緒まで奪われた上に、これに抵抗した薫の表情に激昂した源一郎に、杖で背中を強打されてしまう。薫はそんな花菱家に嫌気が差し、久美の死去を契機に花菱と絶縁し、家を飛び出した。

  薫には幼少から慕ってくれている女の子がいた。名前は桜庭葵。桜庭呉服店(現在のさくらデパート)の跡継ぎであり、花菱の次の当主になる人物と婚約していた女性である。

  花菱・桜庭両家の間には多様な交流があったものの、薫が葵の想いを察したことは無かった。

そして、薫の家出により、薫と葵の婚約は抹消される。桜庭家では別の縁談戦略が進行していたが、葵は気持ちを捨てきれず、薫

を追いかけて家を出てしまったのだった。

CUTE  似た境遇で行き会った2人だが、ともに生活するのは非常に難しい環境だった。しかし、葵の後見者で、桜庭呉服店の小間働きである神楽埼雅という、境遇を理解してくれる人間を得て、雅と葵の二人は洋館に、薫はその離れに暮らすようになった。

  徐々に薫の入った写真部の面々も離れに集合し、離れは写真部のアパートの様相を呈すようになった。それゆえ、葵はアパートの家主、雅は洋館の管理者のふりをする事になり、葵と薫の関わりも、余計な浮いた話を防ぐため、周りには秘密にしたまま生活するようになる。

概要

白泉社のコミック雑誌「ヤングアニマル」誌上で、平成10年第23号~平成17年17号まで掲載。コミックスは17巻まで。キャラクターアイテム、小説版、ドラマCDなどを展開。PCやプレイステーション2でゲーム化も遂げている。

TVアニメ化もしており、シーズン1は平成14年4月、シーズン2(藍より青し~緑~)は平成15年10月より放映。

本作の舞台は埼玉県朝霞市・志木市・新座市近辺。志木駅・朝霞台駅・池袋駅近辺とそっくりな景色や、東武東上線10030系のような電車と非常によく似たものも見て取れる。

旧松本邸が桜庭館のモチーフ。

題名は『荀子』勧学編の文言「青は藍より出でて藍より青し」(漢文:青出
於藍而勝於藍)が大元(荀子元来のニュアンスとは違う)。

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